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【甘アキSS】バレンタイン
ちょい早めですが、バレンタイン更新。
・・・バレンタイン更新って初めてじゃないかしら?
同人活動長いけど、たぶん初めてじゃないかしら?



バレンタインSSです。甘粕×アキラです
文章に挑戦・・・。

先のオンリー合わせにひりだしたネタですが
「お付き合いを始めていない二人」設定なので
先の新刊のテーマからずれてしまいボツにしました。
もったいないので(貧乏性)SSにしてみました。

SSというか・・これ・・なんなんだ・・?

普段、漫画表現しかしないので四苦八苦しましたが
漫画表現ではなかなか描けない心理描写など、結構楽しんで書きました。

「文章だと漫画より早く描けるかな」なんて思ってSSにしたのですが・・甘かったです。傷は大きい。


それから
先に言っておきます。
この話の甘粕くんは全然かっこよくありません。


読み辛いかと思いますが、愛が伝われば幸いです。

予定よりながながとしてしまった・・。
たたんでいます。



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僕は教官に尋ねなおした。

「何の買い物ですって?」
「バレンタインよ?今日は2月14日だもの」

そんなこと知っている。

LAG内は毎年この月はざわついている。
LAG内の男女比は圧倒的に男に偏っているため、本命、義理、賄賂、慈善、如何にかかわらず、女性陣はバレンタイン当日までチョコレートの手配に忙しい。
男性側も理由にかかわらず貰えないより貰えたほうが嬉しいと思う者が多いものだし、想いを寄せる対象がいるのであれば、このバレンタインという日はことさら大きな意味を持つ。
しかし僕は、この麻黄アキラという人物にはバレンタインという俗な行事には縁遠いものであると勝手に思っていたので全くノーガードであった突然の話題に面食らった。


今、僕と教官は本島のナハ市内の繁華街にいる。
4月には諜報戦訓練があり、その種まきの係を割り振られた我々はリュウキュウ商工会との打ち合わせに来たのだ。
それが先ほど無事終了し、帰りの定期船までの時間の過ごし方をについて相談をするとチョコレートを買いにいきたいといわれたのだ。

こちらの不穏を気取られないように、声のトーンを意識して低くめて質問を続ける。

「しかし、バレンタインは今日ですよ?今から?」

本当に尋ねたいのはその点ではなかっったが、ずばりと突けるほど僕は心が強くはない。

「ええだって今日まで買い物に行くタイミングが取れなかったから」

その返事には納得がいった。
彼女の激務の程は補佐官である自分が良く知っている。
思えば、今日の帰りの定期船を時間に余裕のある遅い便で予約したのは、彼女からの希望があったからで。
と、いうことは、もともと彼女なりに買い物の企みがあったということだ。

その買い物がバレンタインのものだとは。

教官がおもむろにタウン情報雑誌をかばんから取り出した。
表紙には彩度の高い水色のぽってりとしたデザイン文字で「リュウキュウcafe」・・・。
幾つかのページに付箋が貼ってある。
非常に違和感がある。
彼女は日頃、「外」の情報に興味が薄い。
そしてかつISの連中の言葉を借りるなら「女子度が低い」。
その彼女が「バレンタイン」のためにわざわざ情報誌を購入しチェックをし付箋を貼りチョコレートを買いにいくというのか。
このいつもの彼女にそぐわないベクトルの行動力はいったいどこから来たのか。
隣を歩く彼女のうきうきとした様子とうらはらにこちらの気持ちは足元からひたひたと薄ら暗さがこみ上げてくる。
そのバレンタインの為の買い物の付き添いに誘われた時点で
自分は彼女の「眼中」から外れていることを告げられたようなものだからだ。

いや
それは
もともと想定の範囲内で

(いやいやいまてまて僕の仕事は世界の柱である彼女が青の世界かつ選ばれたライダーのうちの誰かを選択しこの戦いを終了させ平和な世界に導く為のプロジェクトの一員で僕が彼女の特別な存在になりたいなどと願うことは

「あ!あのお店よ」

彼女が指差した先には、洗練されたデザインのチョコレート色をしたロゴの看板の店があった。
雑誌のチェックしたページを開いて掲載された写真と外観を見比べ、そうそうここだわと足どり軽く駆け出す。
歩幅を広げ彼女を追う。
日頃、精神(こころ)を鍛えている僕はため息などついたりしない。
打たれ慣れているなどという理由では断じてない。

到着した店は白を基調とした清楚な店で、チョコレート色と赤色のインテリアがアクセントとして店内を彩っていた。
大きなガラス張りのドアの前にイーゼルと黒板が立てられ、この店がつい先月オープンしたばかりの有名チョコレート専門店のリュウキュウ初出店舗であることを告げている。

常夏のリュウキュウにチョコレート専門店などご苦労なことだ。

狭い。
我ながら心が狭い。


店内に足を踏み入れるとバレンタイン当日ということもあり、店内は女性客で賑わっていた。
フロア背面の壁に身を寄せ、教官を含む買い物客を眺める。
こちらの心の不穏な雲行きのことなど気付きもしない嵐の種は
きときときょときょととてもかわいらしい様子でショーケースを覗いている。
その様子を見て、りすかな。と思った。
似ている。
例えるならばげっ歯類。
ちっともじっとしていない。
手乗りの大きさ。
店内をちょことちょこ移動して、たまにこちらを確認し、にこっと笑顔を送ってくる。
つられて笑顔を返したりしていたものの
今、彼女が選んでいるのは僕ではない誰かに贈るチョコなのだと思うと次第に僕はじんわりと腹が立ってきていた。
この人は無神経だ。

少しくらいこちらの気持ちに気付いていてくれても良いだろう
(いや気付かれていては困るのだが)
まあ、人間愛として好意の気持ちくらいは察してくれていても良かろう。
それをのこのことバレンタインのチョコの物色に僕をつき合わさせるなど・・

・・・自分がおかしなことになっている自覚はある。
秘めたる思いを気付け、察せよ、とは理不尽な話だ。
しかし何かをうらめしく思わねばやりきれない。

この鬱々とした思いを丸めて投げつけてやりたい、と背中をにらむと同時に
りすがこちらを振り向き晴れ晴れとした笑顔で
「これにするわ」と唇の動きだけでこちらに宣言し
とショーケースの上に飾られたサンプルを指差した。

PPコーティングのぴかぴかした赤の包装紙。
茶色のリボンがクラフト紙のシールでとめられている。
箱の大きさから察するに、中身はトリュフが三つ・・いや四つ入りか。

そうすると今度は一瞬にして疑問が立ち上がる。

意中の人物に渡すチョコレートにしては、少々安易なラインナップでなないか?
なにがそう思わせるのか?
金額が?(いや結構よい価格だ。チョコのくせに)内容個数が?(何を基準に)パッケージか?(いたって普通だ)
だが、これは、多分、提供するこの店的にこの商品の意図するものは・・


「えーっと6個と6個と3個と1個・・で全部で16個ね」
教官が指折り数えながら店員にオーダーをしている。


やはり!!
義理だ!!!!!!!
6個(IS)+6個(サブスタンス)+3個(3オペ)+1個(僕)!
全員義理チョコ!!!!!!
はははははははははははははいたみわけだ!!!


とたんに僕は愉快な気持ちになった。
こころが狭いだと?
笑うやつは笑え。


会計をすませた教官が大きなショッパーを抱えて大変難儀そうだったので「持ちましょう」とその荷物を請け負った。
こんな荷物軽いものだ。なんならこのまま持ち帰って僕が教官の変わりに配ってまわってももいい。

彼女は照れ顔で
「いやー・・最初は手作りに挑戦してみたんだけどね
ヨウスケくんに『一番簡単』と聞いていたガナッシュクリームのトリュフすら失敗しちゃってね」
と尋ねてもいないのに言い訳らしいことをごにょごにょ話す。
首をすくめてえへへなどという教官はとてもかわいらしい。
こちらも笑顔、だ。



「まだ船が出るまで時間があるから」
と、情報誌に付箋をつけていたページに掲載されていたカフェに入った。
観葉植物が多く配置された、木造の内装。なかなか渋めである。
店内を流れる音楽に気をとられると
「このお店のマスターはレコード愛好家でコレクションをお店でかけてるんだって」
と雑誌の該当ページを開いて僕に見せる。
買い物を終えてからの僕の心はとても晴れ晴れとしており
くわえて贔屓にするアーティストの曲が店内に流れ出したものだからすっかりいい気分になっていた。
そしてこの手の話題に疎いであろう教官相手に饒舌に寮の自作の音響システムについてとうとうと語ってしまった。
しかし教官はニコニコとしながら終始聞き手に回ってくれ
絶妙なタイミングで相槌をうってくれたり僕のつぼをつく質問をしてくれた。

教官は甘粕くんは本当に音楽が好きなのねえ、といいながらふと思い出したように雑誌をめくり
「この近くにアナログ盤を扱うショップがあるんだって?」と尋ねてきた。
それは、多分、僕が本島に来るたびに良く行く店のことだと言うと
近いなら行ってみようかと提案された。
僕は僕のテリトリーに彼女を案内できることをとても嬉しく思い張り切って案内をした。
教官は船の出るまでに残された時間をたっぷりと店内を見て周り
さすがにアナログ盤を買うことはなかったが、僕が薦めたCDアルバムを一枚購入した。

船に乗ってからも教官は僕の好みの音楽の話を引き出してくれ
購買で買った熱いコーヒーを飲みながら
デッキで並んで立ったまま話し込んでしまった。

リュウキュウLAGイシガキ訓練施設の門まで辿りついた頃には
とうに陽は沈み、辺りは暗くなっていた。

「この時間なら、みんな訓練室で音あわせしてるかな?
但馬くん、駿河くん、近江くんは、まだ残ってるかしら?」
教官は腕時計の時刻とショッパーの中身を見比べながつぶやいた。
今から配ってまわるらしい。

ぱっと顔をこちらに向けると
「今日はありがとう!希望通りのお買いものもできたし、大満足!」
と笑顔で今日の締めに入ってきた。
そうか、楽しかった時間はもう終わりか。
そういえば、今日は仕事の合間だったが一緒に買い物をしお茶の時間をすごして教官を独占してさながらデートのようだった。
とても良い時間だった。
特にバレンタインという特別な日に教官と二人良い時間を過ごせて本当によかった。
今から貰うチョコレートは義理のものだが今日彼女と過ごせた時間は補佐官の僕であるからこその特権だったではないか。
今日の楽しい思い出をチョコと一緒に貰って帰ろう。

それはよかったです、では、と僕は彼女に預かっていたチョコレート専門店のショッパーを渡し、
そのまま手を平を上にして差し出した。

不思議そうに彼女が僕を見上げ、差し出した僕の手と顔を見比べる。

「僕のぶん」

(さっき買ったチョコレート)

(あれ?僕は何か間違っている?のか?)

「ください」

(あれ?)

教官はますます怪訝な顔をしている。

しまった。

間違った。
僕には義理すらなかったか。失敗した。あつかましすぎた。今日のひと時のオフを一緒に過ごせただけでも充分だったのに。
僕の今の顔色は赤い青いのか白いのかとにかく得意のポーカーフェイスは機能していないのは自覚ある。
この場を取り繕いたかったが上手いフォローが口から出てこない。
何か言わなければすみませんと言わなければ時間よ戻れと言って戻れるのなら

「あ!あれは石寺長官の分よ?」
と、合点がいった顔で彼女が言った。
僕は合点がみつからない。
彼女に追いつけない。

くるくるとしたアーモンドアイで(本当にりすのようだ)僕を見つめながらフェルナンデスに説明するかのように教官は両手を僕に差し出し指折り数えた。
「ISのみんなとサブスタンスみんなで12個。但馬くん駿河くん近江くんで15、そして長官。で16。ね?」
僕のアタマはその簡単な足し算をする余裕すらなかったが、ほら僕の分がない、と事実は確認できた。
その僕の顔を覗き込み彼女が笑った。

「甘粕くんってアタマいいけど、察しが悪いね」

かばんからなにか包みを取り出す。
さっきのチョコレート専門店で買ったスタイリッシュなパッケージとは違い、
野暮ったいチョウチョ結びで赤いリボンのかけられた、いかにもお手製といったていの・・

お手製?

お手製だと???

僕の頭の中で鐘が鳴り響く。リンゴン系の鐘だ。

「ガナッシュクリームのトリュフを作ったって言ったでしょ?」
「しかし、失敗したと・・・」
「たくさん作って、たくさん失敗したから「一人分」しか残らなかったの!だから他のみんなの分のお買い物が必要だったの」

ぐいっとその包みをこちらに突き出す。


「甘粕くんの分だよ」


アタマの中で鐘が鳴り響く。
どのように受け取っていいのか判らない。
まごついていると
「・・・お店のヤツのほうがよかったかな」などと言い出したので
あわてて包みを両手で掴んだ。
「ありがとうございます」の声が上擦ってしまって、
自分の、チョコへの、彼女のチョコへの、彼女への飢餓感を露呈してしまったようで顔が熱くなる。


・・・自分はもっとバレンタインでスマートにチョコレートを受け取れる人間だと思っていた。


この恥ずかしさからの逃避でアタマが「スマートにチョコを受け取る人間とは?」と解析をはじめた。そんな段ではないというのに。
そもそも教官のお手製のチョコトリュフが
何故僕に回ってくるのか、からすでに理解を超えているのだ。


その僕の心を読んだかのように教官が
「・・甘粕くんて、にぶい?」
などと言う。

てっきり私の気持ちを知っていると思ったのに
てっきり甘粕くんが私のこと好きなの私が知っていると気付いているとおもったのに
・・・そういうことらしい

貴女が判りにくいのですよ、と混乱を見抜かれたくなくて下がってもいない眼鏡を右手中指で押し上げ手で自分の顔を隠す。
しかしそれすら悟られれいるようで、彼女はニコニコ笑って僕の反論は受け入れられない。
まったく彼女のペースだ。どうも分が悪い。
「勉強になりました。普段スマートな甘粕くんはこの手のことはとってもにぶい。」
などと言うものだから、反論しようと僕が姿勢を正すと同時に彼女が言った。



「ねえ、デート、楽しかった?私なりのプランよ?」




そして僕をみて教官は「すごいかお!」と腹を抱えて笑った。


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アキラも頑張ってなけなしの女子力を総動員させていたんだよ、という・・・。
プレゼントはソコ(大変わかりにくい)

・・・・お付き合いありがとうございました。(傷は浅くないです)

※2月のバレンタインについての女性陣の大変さと、4月の諜報戦訓練は「めんそーれ琉球LAG」の年間行事表を参照のこと
※甘粕くんがアナログ盤で聞くほどの音楽オタクであることは公式ブログの佐藤さんの記事からもってきました。


( 2011.02.13 ) ( SRX/SS ) ( COMMENT:0 ) ( TRACKBACK:0 )
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